「一流の縁の下の力持ち」阪神タイガース新井良太コーチ

関西出身、生まれた時からタテジマのユニフォームを身にまとっていた私にとって夢のような仕事だった。

昨年末、品川のホテルで阪神タイガース・新井良太コーチ(2019年シーズンは二軍打撃コーチ)のトークショーで聞き役をさせて頂いた。

新井良太コーチと講演後の控室で。

前職で阪神タイガースを取材させて頂いていたが、今回は完全に「オフ」のこれまでとはまるで違うインタビューの時間だった。

「昔から、自分が何かを成功させた時の喜びよりも、人の成功に関われた時の喜びの方が大きいタイプなんです」。

この言葉が一時間の講演会の中で私の中で最も記憶に残ったフレーズである。 お決まりのプリンセスプリンセスの名曲で打席入りをし、ファンの歓声を一身に受けていた一流のスポーツ選手が発したのだから。

34歳の若さでコーチ転向。「表に立つ側」から「裏方」に回った。鳴尾浜では二軍の若手選手と一緒になって早朝から走り込みをした。「現役の時と同じかそれ以上に今は身体を動かしているかもしれません」。全く体系の変わらない良太コーチがそう証言した。

「一軍で活躍する選手の姿が見たいから」。もはや自分のことなんてどうでもいい。まさに「選手ファースト」で彼らと向き合い、一緒に汗を流した。

だからこそ、横田慎太郎さんの引退試合は忘れられない。現役最後の試合で「奇跡のバックホーム」でアウトをとり、ベンチに帰ってきた横田さんを迎え入れた時、サングラス越しで良太コーチは号泣していた。最後の最後まで、寄り添ってきたから。

当時のことを振り返る良太さんの目頭が、また熱くなっていた。

「自分は年も若く選手の立場に近い人間なので、コーチ陣との懸け橋になれたらと思います」。2020年シーズンからは「一軍」打撃コーチに就任する。

「一流の縁の下の力持ち」新井コーチが来季チーム優勝への大きな懸け橋になることを期待してやまない。

ニュースバズーカー編集長 庄野数馬